ニキ燐 ワンライ「キス」

「あ……燐音くん……」

 ベッドに浅く腰掛けたニキの足の間で、俺がゆっくりそれを味わうとニキは苦しそうに俺の名前を呼んだ。

「はは、なんだよニキきゅん。そんなに気持ちいいのかぁ?」

 そう言って口を離してニキが安心した隙に、今度はチュッチュとそれに口づけてみせる。普通の、いわゆる口と口での口付けは何かの食べ物の味がすることが多いが、これは「ニキそのものの味」なんだろうか。そう思うと下着の中で自分のものがゆるりとたちあがり始めたのがわかった。

「ん……燐音、くん」

 触れるだけの口づけを続けていると、ニキがもどかしそうに腰をもぞもぞとさせた。チラリと上に目を向けると暗いのではっきりとはわからなかったが、空腹を我慢しているときのようなギラつきはじめた瞳と、物欲しくてたまらずによだれでもこぼれ落とすのではないかというようなゆるみかけた口元が燐音を狙っていて、思わず背筋がゾクリとした。

(本当に、こいつの、こういうところが)

 いつまでたってもたまんねぇんだよなぁ、と思いながらもう一度それを咥内の奥深くまで飲みこむと、上の方から「だめ、ヤバいっすから」という切羽詰まった声が降ってくる。言葉とは裏腹にその両手が俺の頭に添えられ、ニキから離れないようにしているのを感じると俺はじんわりと心が満たされていくのを感じだ。

 なんだかんだで、こういうことになるとニキの方が余裕がある感じの時が多いのだ。それはそれで(認めたくはないし、伝える気なんて絶対に無いが)自分にしか見せないニキの「男」を感じられて良いのだが、たまにはこうして自分ががっつり主導権を握り、こいつの可愛らしい姿を見るのも悪くない。

「ね……燐音くん、しよ?」

 そう、懇願するように頼んでくるニキに「しょうがねぇな」と答えると、俺はもう一度だけそれに口付けしてから下着を脱いでベッドに上がった。

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