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「ん……ニキ……」
薄暗い部屋のくたびれ切ったマットレスが敷かれたベッドの上で、燐音くんが苦しそうに僕の名前を呼ぶ。
苦しい、と言うのは正しくないかもしれない。それは本当に苦しそうなときに比べれば辛さは幾分少なそうであり、どこか気持ち良さそうでもあり、必死そうでもあり。もどかしそうでもあり、切なそうでもあり、嬉しそうでもあり。
だけど僕の少ない語彙の中ではそれを的確に表すことはできなくて。いつもこういうとき、燐音くんは「苦しそうに」僕の名前を呼ぶのだ。
「なぁに、燐音くん」
そして僕はわかっているのに、いつもそうやって燐音くんに問いかける。あっちも僕がわかっているのを知っているからチッという顔をするけれど、僕が手を握り返しながら腰を揺らすとぎゅっと下唇を噛んで刺激に耐えようとする。
(本当に、この人、こういうところが)
いつまでたっても可愛いからずるいんすよねぇ、と思いながら紅色の前髪を上げ、その額にキスをした。髪の毛も肌もうっすらと汗ばんでいて、燐音くんの匂いがふわりと広がる。生え際に、瞼に、頬にと口付けを下ろしていくとくすぐったそうに、だけど嬉しそうに燐音くんは口元を緩める。
「燐音くん、僕そろそろ限界なんですけどイってもいいっすか?」
僕がそう、わざと耳元で囁くと燐音くんの中はきゅうと小さく締まり、それに連動するように背中に手が回される。
「しょうがねぇなぁニキは……まぁ燐音くんが魅力的だから仕方ねぇけどよ」
そう答える燐音くんにへらりと笑いかけると、僕は自分の顔を燐音くんの顔へと重ねた。
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